本の紹介
タイトル:十二人の死にたい子どもたち
作者 :冲方丁 (うぶかたとう)
出版社 :文藝春秋
発売日 :2016年10月15日
本の長さ:単行本・404ページ 文庫本・495ページ
個人的情報
おすすめ評価・星4 ★★★★☆
読了日・2024年5月16日
所持形態:紙 文庫
あらすじ:
廃病院に集結した子どもたちの前に現れたのは――?
廃業した病院にやってくる子どもたち。目的はみんなで集団自殺すること。しかし、十二人が集った部屋のベッドにはすでに一人の少年が。彼は一体誰なのか、この中の誰かが彼を殺したのではないか、こんな状況のまま計画を実行してもいいのか……。性格も価値観も死にたい理由もそれぞれ違う、初対面の十二人の少年少女たちが、不測の事態を前に、議論し、互いを観察し、状況から謎を推理する。初めて人とぶつかり、対話していくなかで彼らが出す結論とは。そして、この集いの本当の目的とは——。
引用:
絶賛発売中! 冲方丁が描く初の現代ミステリー『十二人の死にたい子どもたち』 デビュー20周年の集大成! | 特設サイト - 文藝春秋BOOKS
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ブクログ
感想:
廃病院にそれぞれ死にたいと考える子どもたちが集まるところから始まる。
そこには参加されるとされた12人の他にすでに1人ベッドに横たわっていたため、
このまま計画を始めていいのかという疑問から物語は進んでいく。
物語は12人のそれぞれの視点や想い、理念に基づきディスカッションを進めていく。
廃病院に集まった子どもたちには、死にたいと思う理由はそれぞれ多岐にわたるが、ある人の理由は他人にとったら些細な事と言われてしまうかもしれないが、当人にとっては大事な事由になりうる。
物語も集まった人の会話を中心にリレー方式で進んでいくので、とても読みやすいと感じた。
主要登場人物も12人でてくるが各人キャラや印象がたっているので読み始めたらすっと入ってくる。
それぞれの視点を感じることで一つの物事について様々な視点から見ることができ、各人の思惑や他者への印象も感じることができるのも面白いと思った。
他人とのかかわりが希薄になりつつある昨今他者と会話をする、思いやる、考えるといったことを改めて思わされた作品。また、他人を許容する、理解する、納得する、といった他者との議論の難しさにも改めて気づかせてもらえる作品であると感じた。
この作品は2019年1月25日に実写映画が公開された。監督は堤幸彦。
映画も視聴したが、個人的には原作の小説の方が好き。