本の紹介
タイトル:科捜研・久龍小春の鑑定ファイル 小さな数学者と秘密の鍵
作者 :新藤元気 (しんどう げんき)
出版社 :宝島社(宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
発売日 :2024年4月3日
本の長さ:文庫本・336ページ
個人的情報
おすすめ評価・星5 ★★★★★
読了日・2024年8月31日
所持形態:紙 文庫
あらすじ:
元科捜研研究員が描く警察科学捜査ミステリー!
特殊捜査班の熊谷は、海老名市内にある養護施設がほぼ全焼した現場に臨場。科捜研物理係の久龍小春とともに事件性の有無を判断するため、出火原因の調査を行う。
すると煙草の不始末による失火であると判明した。さらにはその煙草を始末したのは行方不明となっている少年、立花望であり、彼が書いたと思われる遺書も別の場所で見つかった。小春と熊谷は、望はまだ生きていると予想し、調査に乗り出すが……。
やがて二人を待ち受ける、事件の意外な真相とは!? 第22回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉。
引用:
該当作品
ブクログ
感想:
元科捜研研究員が描く警察科学捜査ミステリー。
第22回の『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉 に選ばれた作品。
物語は、小柄な科捜研「物理係」の小春と、大柄な特殊捜査班の熊谷が真相を追うものとなっている。
≪科捜研≫と言われると、某あのドラマだったり、どっちかというとDNA鑑定とかの方が思い浮かぶと思う。そういうことをする係の方を「法医係」というらしい。
科捜研に≪法医係≫と≪物理係≫があることは知らなかった。
≪物理係≫では火災現場の調査、銃器刀剣類の鑑定、防犯カメラの画像解析、交通事故解析とかが主な担当とのこと。
物語には科学捜査を始めとした科学や数学といったコアな知識が登場する。
そういった知識などを絡めたストーリーと、表紙からはわからない小春のキャラクター性に振り回されつつもぐっと引き込まれた作品。
どんなに根拠を示したとしても、どんなに丁寧に説明しても、時には事実を歪められてしまうこともある。
今は情報は一方からのものではなくて、様々な情報を得る手段がある。
インパクトのつよい言葉などに惑わされることなく、ソースにあたるなど
情報の選択をしていくということが大事なのではないかとこの作品を読みながら感じた。
この本を読み終わったあと、あなたも小春勢力に入りたいと思うこと間違いなし。
小春と熊谷のペアストーリー シリーズ化したらいいなあと思う作品でした。