城平京『名探偵に薔薇を』//読書記録

本の紹介

タイトル:名探偵に薔薇を

作者  :城平 京    (しろだいら きょう)

出版社 :東京創元社

発売日 :1998年7月19日

本の長さ:文庫本・314ページ

 

個人的情報

おすすめ評価・星5  ★★★★★

読了日・2024年9月8日

所持形態:電子書籍

 

 

 

あらすじ:

怪文書『メルヘン小人地獄』がマスコミ各社に届いた。その創作童話ではハンナ、ニコラス、フローラが順々に殺される。やがて、メルヘンをなぞったように血祭りにあげられた死体が発見され、現場には「ハンナはつるそう」の文字が……。不敵な犯人に立ち向かう、名探偵の推理は如何に? 第八回鮎川哲也賞最終候補作、文庫オリジナル刊行。

 

引用:

名探偵に薔薇を - 城平京|東京創元社

 

該当作品

ブクログ

booklog.jp

 

感想:

物語にはグロテスクな描写有るため苦手な人は注意が必要。

 

物語は創作童話「メルヘン小人地獄」に関する二つの事件の二部構成。

第一部は「メルヘン小人地獄」になぞらえた殺人事件

第二部では第一部から二年後に起きた事件(「毒杯パズル」)の二部構成。

 

第一部でメルヘン小人地獄と呼ばれる毒薬にまつわる事件が起こる

その事件に巻き込まれてしまったとある人々の物語。

事件を解決するために、語り手の知り合いで【名探偵】と呼ばれている女性・瀬川みゆき に事件の解決を求め瀬川はその名探偵ぶりを遺憾なく発揮する。

 

第二部では、語り手が変わり名探偵の瀬川みゆきが多くの語りをする。

またもやメルヘン小人地獄にまつわる事件にあってしまった第一部の面々。

解決をするため【名探偵】瀬川みゆき はまた事件にかかわることとなる。

 

といった物語。

語り手が変わり、名探偵と呼ばれているが故の

苦悩、葛藤、さらには心の揺れ動きに強く触れることができる作品。

瀬川みゆき が名探偵でいる理由。名探偵でいなければならない理由。

 

物語の最後に明かされる深く、重い真相に

ドロリとした何かが心に落ちてずしりと残り続ける作品だと感じた。

秘めたる想い・因果、そういったものを含めてなにが名探偵たらしめ

名探偵でいなければならないのか。

タイトル『名探偵に薔薇を』これはまた言えば綺麗かつこれしかないタイトル。

 

瀬川みゆきについてもっと知りたくなる作品。

 

サクサクとテンポよく読み進めることができるミステリー作品。