本の紹介
タイトル:私たちが星座を盗んだ理由
作者 :北山猛邦 (きたやま たけくに)
出版社 :講談社
発売日 :2014年4月15日
本の長さ:文庫本・384ページ
個人的情報
おすすめ評価・星4 ★★★★
読了日・2024年09月11日
所持形態:電子書籍
あらすじ:
優しく、美しく、甘やかな世界が、ラストの数行で、残酷に崩壊する快感。景色が反転し、足元が揺らぎ、別な宇宙に放り出されたかのような、痛みを伴う衝撃。かつて、まだ私たちが世界に馴染んでいなかった頃の、無垢な感情を立ち上がらせてくれる、ファンタジックな短編集。ミステリの醍醐味、ここにあり!
難病の女の子を喜ばせるため、星座を一つ消して見せる男の子を描く表題作ほか、5つの物語のすべてに驚愕のどんでん返しが待つ傑作短編集!
引用:
該当作品
ブクログ
感想:
5篇「恋煩い」「妖精の学校」「嘘つき紳士」「終の童話」「私たちが星座を盗んだ理由」が入った短編集。
読みやすい文章と、短編集ということもあってスラスラと読み進めることができる。
スラスラと読んで読んで読み終わった後に、どろっとした消化不良を心に残す作品だったと感じた。
個人的に「恋煩い」「終の童話」と題された作品が好きで考えさせられた。
この二篇はどちらも「恋」感情が主な視点。
「恋煩い」は
恋する女の子が、気になる男の子とうまくいきたいために、
噂になっているあるおまじないを行っていく過程で、
起こる様々なことにどういった感情が込められているのか。
恋に恋する女の子の話を読みながら、最後まで読んで作中の言葉を目にすると
また新たな一面が見えてきて面白い作品だった。
「終の童話」は
これまた「恋」の物語。
ある村に住んでいる男の子がある女の子(女性)に恋をしているが
その平穏な村にある時災いが起こってしまう。
そこで男の子は大事なものを失ってしまう。その大事なものが自分のもとに戻ってくるという所謂希望を胸に男の子は生きるが…。
≪目に見えていた希望≫それは果たして本当の意味で希望だったのか
恋とは、想いとは、 そしてやさしさとは
そういった感情が何か と考えられる作品。
短編集なので
時間がなくとも、さくっと1篇ずつ読み進められるのでおすすめ。