芦沢央『悪いものが、来ませんように 』//読書記録

本の紹介

タイトル:悪いものが、来ませんように

作者  :芦沢央 (あしざわ よう)

出版社 :KADOKAWA/角川書店

発売日 :単行本・2013年8月30日 文庫本・2016年8月25日

本の長さ:単行本・284ページ   文庫本・304ページ

 

個人的情報

おすすめ評価・星4  ★★★★

読了日・2024年9月25日

所持形態:紙 文庫本

 

 

 

あらすじ:

緊迫感あふれる二人の関係から目を逸らせない。――作家 小野不由美
助産院の事務に勤めながら、紗英は自身の不妊と夫の浮気に悩んでいた。誰にも相談できない彼女の唯一の心の拠り所は、子供の頃から最も近しい存在の奈津子だった。そして育児中の奈津子も母や夫と理解し合えず、社会にもなじめず紗英を心の支えにしていた。二人の強い異常なまでの密着が恐ろしい事件を呼ぶ。紗英の夫が他殺体で見つかったのだ。これをきっかけに二人の関係は大きく変わっていく! 一気読みが止まらない、そして驚愕のラスト! 「絶対もう一度読み返したくなる!」「震えるような読後感!」と絶賛された傑作心理サスペンス!(解説:藤田香織)

 

引用:

「悪いものが、来ませんように」芦沢央 [角川文庫] - KADOKAWA

 

該当作品-

ブクログ

booklog.jp

 

感想:

不妊や浮気、家庭や社会生活のままならない状況などから

最初から最後まで不気味な違和感が拭えないまま進む。

 

最初は気にもしなかったことが話が進むごとに違和感と不気味さを増していく。

最後まで読み終われば、なるほどってなるし、なった。

文字だから、文章だからこれほどまでに、引き寄せられ突き放されるそんな物語だった。

 

登場人物の語りと心情と、登場事物たちを知っている人たちへのインタビューのような会話からなる物語。

プロローグでぐっと引き寄せられ自分の中でキャラクターを補完することでさらに物語は複雑になっていく。

 

文章と語り口、話の回し方による視点誘導、そこかた見え隠れするがどんどん進んでいく展開に足止めしてる暇などないかのように最後まで駆け足で進んでしまう。

 

心の中をこれでもかってくらいぐっちゃぐちゃにされてかき回されて

ドロドロに重く黒いものを心に投下してくる傑作心理サスペンス!だった。