乙一『夏と花火と私の死体』//読書記録

本の紹介

タイトル:『夏と花火と私の死体』

作者  :乙一 (おついち)

出版社 :集英社

発売日 :2000年5月

本の長さ:文庫本・224ページ

 

個人的情報

おすすめ評価・星4 ★★★★

読了日・2024年10月09日

所持形態:紙 文庫本

 

あらすじ:

九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく――。こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄弟の悪夢のような四日間の冒険が始まった。次々に訪れる危機。彼らは大人たちの追及から逃れることができるのか? 死体をどこへ隠せばいいのか? 恐るべき子供たちを描き、斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、早熟な才能・乙一のデビュー作品。

 

引用:

夏と花火と私の死体/乙一 | 集英社 ― SHUEISHA ―

 

該当作品

 

 

ブクログ

booklog.jp

 

読んだきっかけ:

なんとなくタイトルは知ってたけど読んだことなかったなあって。

色々な動画とかで紹介されていたので、夏だし読んでみようと思い読んでみました。

 

感想:

タイトルの『夏と花火と私の死体』と『優子』という二作が入っている作品。

 

『夏と花火と私の死体』は9歳の夏休みに起きた事件についての物語。

語り口はその事件での被害者である少女。少女が語ることでなにか俯瞰的に物語を見つめることができる。

私目線なのがいい感じの違和感をプラスして、スリリングな作品。

 

子どもであるが故のちょっとした嫉妬心、無鉄砲な行動、

そこから周りの人(大人)に叱られるかもしれない、怒られるかもしれないどうしたらいいんだろう…といった子どもがもつ自分より年上を恐れる感情と

なにかどうにかして失敗や問題を隠せないか、という子どもならではの行動に引き込まれる。

自分たち(大人)ならそんな場所には隠さない、そんな行動はしない

ということを、幼い兄妹がなんとかして必死に【私】を隠そうとする行動ひとつひとつが、緊迫感や緊張感、更には怖さをぐんっと感じさせる。

 

もちろん幼い子どもが思いつくこと(対処方法)なのでちょっと考えれば見つかってしまうだろうということに、ハラハラドキドキが止まらず、この先この【私】はどうなるんだろうという気持ちにページをめくる手は止まらない。

 

物語は短めで、とても読みやすいと感じた。

子どもは大人が思っている以上に無知だが賢いということがわかる作品。

面白かったです。

 

 

次に収録されている作品が『優子』という作品。

見えているものが本当に見えているものなのか。悪いのはなにか。

物語は人形に関する物語。

狂っているのは一体だれなんでしょうか。

不気味かつゾクゾクする物語でした。