今回は『祈りのカルテ』を読んでみました。 読了日2024/11/29
この作品は研修医である諏訪野が研修先である様々な課で、色々な患者と出会い多様な謎や、心の内に秘めている想いを、相手を想う気持ちで紐解いていく優しいミステリーです。
作品紹介
タイトル:祈りのカルテ
著者名 :知念実希人
出版社 :KADOKAWA
発売日 :
単行本2018/3
文庫本2021/2
ページ数:
単行本248ページ
文庫本272ページ
(文庫本)
あらすじ
大人気『仮面病棟』著者が贈る、感涙必至の連作医療ミステリ!
諏訪野良太(すわのりょうた)は、純正会医科大学附属病院の研修医。
初期臨床研修で、内科、外科、小児科など、様々な科を回っている。
ある夜、睡眠薬を大量にのんだ女性が救急搬送されてきた。
その腕には、別れた夫の名前が火傷(ヤケド)で刻まれていた。
離婚して以来、睡眠薬の過剰摂取を繰り返しているという。
しかし良太は、女性の態度に違和感を覚える。
彼女はなぜ、毎月5日に退院できるよう入院するのか……。(「彼女が瞳を閉じる理由」)初期の胃がんの内視鏡手術を拒否する老人や、
循環器内科に入院した我が儘な女優など、
驚くほど個性に満ちた患者たちとその心の謎を、
新米医師、良太はどう解き明かすのか。「彼」は、人の心を聴ける医師。
こころ震える連作医療ミステリ!
相手を想う優しさや、愛情を感じるミステリー
読んだ理由
医療xミステリーというジャンルを読んでみたかったから
著者の多作品のタイトルを多く聞いたことがあり、その中から短編集であるこの作品にたどり着いたから
個人的なおすすめ度紹介
ストーリーの雰囲気・読みやすさ・過激表現(グロテスク描写など)・おすすめ度
こんな人におすすめ
医療xミステリーに興味がある人
読んだあとに優しい気持ちになりたい人
優しいミステリーが好きな人
感想
研修医の諏訪野が主人公。研修先の色々な課で様々な患者に出会い、
その先々で色々な問題にあたり患者のが心の内に秘めている想いや、問題・本心を見つめ優しく解決していく物語。
連作短編集の作品で5篇。
ストーリーもテンポもよくとても読みやすいと感じた。
諏訪野が相手のことを思う優しさや、愛情といったものがひしひしと伝わってきて、
優しい気持ちになった。
諏訪野にあっているのは何なのか。
行く先々の課で研修医・諏訪野は担当医からアドバイスを受ける。
その中で担当医は諏訪野はうちの課には合わないかもしれないという。
その真意は諏訪野の能力なりが低いという訳ではなく、諏訪野が患者ひとりひとりに対して優しく、実直に対応し、深く理解をしようとするため、時間や、即決する必要がある「うちの課」には合わないのではないかというものだった。
諏訪野が研修した課で一人の患者と出会い、自らが進む道について改めて深く考え
未来をみつめ決定し、新しい道を歩いていくというところで物語は終わる。
物語を読み進める中で泣いてしまった。
患者ひとりひとりのことを思い、その人にあった治療や対応をするのが大変だということがこの作品を読んで感じた。
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単行本
文庫本
最後に
自分自身、様々な病院にお世話になっているが、
自分の思いや、症状を聞いてくれている担当医の方々には頭が上がらない。
改めて感謝しかない。
ミステリーでありつつも、心がほっこりする物語を読みたい人はこの作品はおすすめ。
諏訪野の進む道で多く人と出会い、多くの人を救っていくそんな物語がとても好き。
(文庫本)