麻耶雄嵩『友達以上探偵未満』高校生・桃青コンビが夢見る名探偵//読書記録

今回は『友達以上探偵未満』を読んでみました。  読了日2024/11/30

この作品は「もも」と「あお」の桃青コンビの高校生二人が名探偵を夢見て事件を解決する物語です。

 

 

作品紹介

タイトル:友達以上探偵未満
著者名 :麻耶雄嵩  
出版社 :KADOKAWA

発売日 :

     単行本2018/3

     文庫本2020/11
ページ数:
     単行本280ページ
     文庫本320ページ

 

(文庫本)

 

 

あらすじ

 女子高生名探偵・桃青コンビ、誕生!キュートで企みに満ちた本格ミステリ。
忍者と芭蕉の故郷、三重県伊賀市の高校に通う伊賀ももと上野あおは、地元の謎解きイベントで殺人事件に巻き込まれる。 探偵好きの二人は、ももの直観力とあおの論理力を生かし事件を推理していくが!?

 

引用サイト:「友達以上探偵未満」麻耶雄嵩 [角川文庫] - KADOKAWA

 

 

直情的・論理的な異なるタイプのコンビ「桃青コンビ」

読んだ理由

通販サイトで眺めていたら目についたから(ジャケ買い)
表紙の二人に惹かれたから
友達以上で探偵未満とは何ぞやと思って気になったから
異なるタイプのコンビ物っていいですよね。

 

個人的なおすすめ度紹介

ストーリーの雰囲気・読みやすさ・過激表現(グロテスク描写など)・おすすめ度



 

こんな人におすすめ

異なるタイプのコンビが好きな人
謎解きをしたい人
伊賀に興味がある人

 

 

感想

直情的で感情豊か・直感タイプの「もも」と
理性的で冷静沈着・論理タイプの「あお」の
桃青コンビの高校生二人が名探偵を夢見て事件を解決する物語。

 

伊賀の里殺人事件・夢うつつ殺人事件・夏の合宿殺人事件・の三編の物語。

伊賀の里殺人事件と夢うつつ殺人事件
ストーリーとしては、とある事件が発生し、警察官である「もも」の兄「空」から教えてもらった事件のあらましや、容疑者たちのアリバイが提示され、
途中で「この小説は犯人当てになっています。次へ進む前に、しばし立ち止まり誰が犯人かを考えてみてはいかがでしょうか? 一句詠むだけでも構いません」とある。
そのあとで、解決編が始まるといった展開。

夏の合宿殺人事件では
「もも」と「あお」の二人がどうやって出会い、どういった想いがあるのか。ということがわかる章になっている。
二人の思いと、思春期特有の反発や拗ねる気持ちがいいアクセントになって心地よかった。

少ない情報から真実を見つけ出すその推理力に脱帽した。

 

探偵志望の二人。真剣推理勝負。

「もも」と「あお」。

二人がお互いに名探偵になるということを目標に、どちらかが支えるということではなく、高めあうという関係性。

 

「もも」と「あお」の二人の関係性にニマニマしてしまう。

 

「この小説は犯人当てになっています。次へ進む前に、しばし立ち止まり誰が犯人かを考えてみてはいかがでしょうか? 一句詠むだけでも構いません」

と作中にあるので、すすっと読み進めてしまった中でこの一文を読み、考えてみようとなって読み直してしまったが、結局犯人を当てるまでには至らなかった。

 

読みやすいし、謎解きにも参加できる良い。


友達以上であって、探偵未満。二人のこれからがとても気になる作品。

 

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単行本

booklog.jp

 

文庫本

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最後に

友達以上であり、探偵未満である二人。

互いが互いを補うのではなく、互いに高めあって名探偵という夢に向かっていく姿がとても好き。

友達以上であって、探偵未満。二人のこれからがとても気になる作品。


謎ときには敗北した私だが、恥ずかしながら読み終わったので一句。
「凩の調べをたよりになぞをとくかな」

凩=こがらし=初冬の季語

 

最後まで読んで初めてしったのですがこの作品もともとは

犯人当てドラマの原案「忍びの里殺人事件」を小説化したものらしく

一つ目の「伊賀の里殺人事件」がドラマで使用されたものらしい。

詳しくは以下のサイトで確認してください。

麻耶雄嵩VS綾辻行人、視聴者参加型謎解き番組で対決 | ORICON NEWS

 

(文庫本)