今回は『愚者のエンドロール』を読んでみました。 読了日:2024/12/20
この作品は古典部シリーズの第2作目です。氷菓の謎を解き明かした古典部のメンバー。次に訪れるは未完結となった先輩クラスの出し物ビデオ映画。
作品紹介
タイトル:愚者のエンドロール
著者名 :米澤穂信
出版社 :KADOKAWA
発売日 :
文庫本2002/7
ページ数:
文庫本256ページ
(文庫本)
あらすじ
未完のミステリー映画の結末を探せ!古典部シリーズ第2弾!
古典部のメンバーが先輩から見せられた自主制作のビデオ映画は、廃屋の密室で起きたショッキングな殺人シーンで途切れていた。
犯人は? その方法は? 結末探しに乗り出したメンバーが辿り着いた、映像に隠された真意とは――。
それは英雄譚などではなかった折木
読んだ理由
古典部シリーズの一作品目を読んでシリーズが気になったから
個人的なおすすめ度紹介
ストーリーの雰囲気・読みやすさ・過激表現(グロテスク描写など)・おすすめ度

こんな人におすすめ
日常の謎が好きな人。
アニメは読んだことがあるけど原作も読んでみたい人。
感想
未完成となってしまっている古典部メンバーの先輩のクラスのビデオ映画。
そのビデオ映画の試写会に誘われ見ることとなった古典部メンバー。
そこでオブザーバー的存在として、様々な探偵兼脚本家の推理が披露される。
そこで提示されるミステリーの解決、回答も人それぞれ違った味があってとても面白い。
先輩たちの推理や脚本を聞きながら、ストーリーに矛盾がないかなどを話しあう古典部。その中で折木は帰り道で入須(ビデオ映画製作のクラス・女帝と呼ばれている)にお茶に誘われ、才あるものは自覚するべきだと言われる。
入須から言われた言葉からも折木は未完となったビデオ映画の結末について考えてみることとなった。
入須の言葉運びや、間の使い方。どれもまさしく女帝らしさを十分に感じた。
薔薇色あるいは灰色
未完となったビデオ映画の結末を考えた折木。
なんとか先輩たちからの評判もなかなかのものとなった。
そこで終われば薔薇色であっただろう。
古典部の福部・伊原・千反田から折木が披露した結末にはなにかが欠けているのではないかと、質問してくる。
古典部の皆と話す中で折木は重要なモノを見落としていたことに気が付く。(=灰色)
最後にいつかお茶したところで、入須と会話をして折木は「怒る」。
ここの場面、アニメでも胸が痛くなってしまった所。
折木の叫びと、入須の冷淡な答え。心にくるものがある。
タロットの「力」に例えられた折木。
千反田・入須・折木姉といった面々に振り回される。
それでもタロットの「力」には
優しさだったり、相手を知るだったり、あなたが必要というような意味もあるようで。
英雄譚などではなかった薔薇色になった気がした探偵も、己の推理の欠如で灰色に染まったとしても、優しさでコントロールされる「力」であっても。
前を向ける一つになったのはとても良かったかなと思う。
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文庫本
最後に
ここまで触れてこなかった愚者のエンドロールの副題
「Why didrit she ask EBA? ー」…なぜ彼女は江波に尋ねなかったのか?
この副題、途中までまったく気にしていなかったのですが
読み進めていく中で、そうだよなんでだという気持ちが強くなっていきます。
このことに触れずに進むのがこの作品の折木の心情的なものを示しているのかなと思った。